フォークリフトで実証実験 燃料電池でCO2削減


トヨタ自動車などは14日、神奈川県の京浜臨海部で計画していた産業向け水素供給網の実証実験を2016年度から始めると発表した。
再生可能エネルギーで作った水素を青果市場や物流施設に運び、燃料電池を搭載したフォークリフトの燃料に使用。
ガソリンを使う既存のフォークリフトに比べ、二酸化炭素(CO2)排出量を最大94%削減する。

トヨタのほか東芝、岩谷産業、神奈川県、横浜市、川崎市が参加し、18年度まで実施をする。
横浜市が保有する風力発電所で作ったCO2排出ゼロの電気で水を電気分解して水素を製造。
ハイブリッド車(HV)で輸送し、キリンビール横浜工場(横浜市)など4カ所12台のフォークリフトに供給する。
水素製造から輸送、使用までに出るCO2の量は1日あたり16.3キログラムと試算した。
電動型(同119キログラム)やガソリン型(同266キログラム)のフォークリフトに比べて大幅に減る見込み。

最大の課題はコスト。
計画では費用の詳細を明らかにしていないが、トヨタの友山茂樹専務役員は14日の記者会見で「単純に積み上げると高額になる」と述べた。
風力発電の適地とされる北海道や離島などで導入した場合の事業可能性やコストについても検証をしていく。