苦戦の続く油圧ショベル 2016年以降は?


2015年の国産の新車建機市場は2兆円。
その中でも7400億を占めているのが油圧ショベルだ。

油圧ショベルは、建機出荷額の中でも3割以上を占めており、建機市場を大きく引っ張っている。

しかし油圧ショベルメーカーは2015年、苦戦を強いられていた。


以下のグラフは、月別の油圧ショベルの出荷額の推移である。
 


各メーカーが決算を向かえる3月に出荷額が大きく伸びている。
また、半期決算にあたる9月にも出荷額が伸びている。

国内向け油圧ショベルは3月・9月を除けば、季節変動は少ない。
海外向け油圧ショベルは、じわじわ出荷額が減ってきている。

この数字は、前年に対してどうだったのだろうか。
2014年の対同月の出荷額比率を示したのが下記のグラフである。
 


国内・輸出をあわせた数字は、2014年を下回り続けている。
2014年の出荷額を超えた月は、2015年は一度もなかった。

国内向けの油圧ショベルは、2014年を上回ることが全くできなかったようだ。


問題は輸出だ。

1~3月は、前年を上回っているが、その後出荷額が減り続けている。
特に8月以降の落ち込みが激しい。


やはり大きな影響を及ぼしているのが中国経済の失速であるが、今後もまだまだ回復の兆しは見られない。

 
これまで、日本の建機メーカーは海外向けはずっと好調だった。


海外にも生産拠点をもうけ、ブランド力を高め、今や世界中で日本の建機が活躍するようになった。

その海外が失速している今、建機市場はどう変わっていくのだろうか。
また中古の建機市場もどう変わっていくのだろうか。
 
ここからはあくまで推測にすぎないが、新車に関しては1年半くらいは横ばいで推移するのではないか。
2016年は需要を大きく押し上げる/押し下げる要因もないし、建機メーカーも2016年は2015年並みと予測をしている。

2017年4月以降は、消費税増税や中小企業投資促進税制の終了などのマイナス要因があるが、夏には0.7m3クラス以下のモデルチェンジを控えており駆け込み需要と相殺されるだろう。しかし夏以降は、増税や、税制優遇措置終了や、駆け込み需要の反動が出て苦しくなるのが目に見えているので、政府の政策に期待したい。

中古市場はどうだろうか。
中古市場は、新車以上に景気の変動が価格に反映されてしまう。
需要が増えれば相場は上がり、需要が減れば相場は下がる。
海外需要が減って相場の安くなった今は、買いやすい時期になった。

新車市場との相関関係があるならば1年強は相場は安定するだろうし、海外がさらに落ち込むなら相場はまだ下がるかもしれない。
以前の中国のような大きな市場が生まれない限りは、中古相場の高騰の可能性は低いだろう。

となれば、国内での流通をメインに切り替える業者も増えてくる。
そうなれば、競争が激化することで、程度の良い中古が増えてくるかもしれない。

中古の流通量が増えてくるのであれば、このサイトにも存在意義が増してくる。
様々な条件で建機を検索できるのは、世界中を探してもこのサイトだけだ。

来たる未来に向けて、大いにこのサイトを活用して頂きたい。